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住宅・不動産コラム
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個人間売買①~売主側のデメリット~

リフプラス FP/宅建士 飯田敏

以前にご相談を受けたお客さまから、「親戚に無償でマンションを貸しており、正式に売却を検討している。親しい間柄のため、仲介業者を通さずに売買契約を結びたいが、どういった事に注意すべきか」というご質問を頂いたことがありました。

このような個人間売買において、買主・売主双方にとっての最大のメリットは、不動産業者を介さないために「仲介手数料がかからないこと」です。その他のメリットデメリットについては、売主と買主という立ち位置に分けて考える必要があると思います。今回は、このような個人間での不動産取引を行う際の「売主側」のデメリットや注意点についてお伝えします。

住宅ローンを利用する場合は面倒

個人間売買の対象の物件を買主が全額自己資金で買う場合は、契約時に特に大きな問題はないと思います。しかし、買主がローンで買う予定の場合は、売主にとって少々面倒なことが起こり得ます。

 売主側の注意点としては、買主の資金事情を全て自分で把握しなければいけないということです。通常であれば不動産業者は、買主に対して自己資金の額、ローン借入額などを確認します。そして、その買主は無事にローンが通る方なのかを知るために、勤続年数や年収、借入額、それによって返済比率を把握します。そして、いずれかの金融機関にローンの事前審査が通ったことを確認した上で、契約を結ぶのが一般的な流れです。

しかし、親族などの親しい間柄での取引となると、このようなローンが通りうる方なのかどうかについて詳細の確認をせずに契約を結んでしまうことが多々見受けられます。そうすると、中には、なかなかローンが通らず、よく調べてみたところ、買主に過去の個信情報に事故歴があってブラックリスト入りしており、どの金融機関に行ってもローンが通らない、といったケースもあります。

そういったことが、契約の2か月後にようやく判明したとします。もし解約をするとしても、個人間売買の場合の多くは、契約の解除に関する規定もなく契約を結んでいます。親しい関係性の場合、何のペナルティもない白紙解除でいいということになるかもしれませんが、買主側から何としてもその物件が欲しいと言われた場合、「どこかの金融機関でローンが借りられるようになるまで待ってもらいませんか」という話になることも考えられます。そういった場合に、売主は注意すべきことがあります。それは、税務上のデメリットが生じうるということです。

税務上の注意点

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

今すぐに売れた場合は、この特例が使えるとします。しかし、この特例は、実際に居住しなくなってから3年目の年末を経過してしまうと受けられなくなります。そのため、買主側のローン審査をいつまでも待っていると、住まなくなって3年以上経ってしまい、3,000万円控除の特例が使えなくなるという問題に発展していく可能性はあります。つまり、税務メリットを失う可能性があるということです。この税務メリットについて補足すると、親族の中でも直系血族に売買する場合は、3,000万円特別控除の適用にならないという規定があります。そのため、買主が直系血族、つまり親や孫だった場合は、もともと3,000万円特別控除の対象にならないのでご注意下さい。

マイホームのご相談はリフプラスへ

不動産の悩みや問題を一般の方だけで解決することは容易ではありません。リフプラスでは、お金と不動産の専門家として、一時的な視点ではなく、長期的な視点で、お客様にとって最良の対処ができるようサポートいたします。マイホームの売却や購入で、少しでも不安なことがございましたら、お気軽にリフプラスにご相談ください。

(2022年7月26日取材)
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