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住宅・不動産コラム
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建物インスペクションとは

リフプラス FP/宅建士 飯田敏

 今回は、近年問合せの増えている建物インスペクションについてご説明いたします。

建物インスペクションとは

 建物インスペクションは、不動産契約前に対象建物に瑕疵がないかを調べる検査です。瑕疵があれば、一定のインスペクションのスキルを習得されインスペクターとして登録された1級建築士、もしくは2級建築士の方が指摘をします。では、インスペクションをするのはなぜ大切なのでしょうか。

これまでの日本の不動産取引では、購入する物件について、瑕疵について検査をしてもらってから引き渡しを受けるというケースはほとんどありませんでした。そのため、物件の瑕疵があるかどうかわからないような状態で不動産取引がなされるという商慣習でした。

しかし、ここ最近では「契約不適合責任」と言い、契約した物件に不適合なものがあったら、売主が責任を負うべきと定められています。仮に売主に過失がなかったとしても、物件に問題があれば売主が責任を持って補償しなさいというのが、今行政が進めている施策になります。ただし、まだ全てにおいて強制というわけにはいかないので、例えば宅建業者には厳しく、一般の売主にはできればそういう制度を保険・保証等を含めて、今後どんどん普及させていきたいと考えています。

物件購入後に瑕疵に気づいた場合

もし、物件購入時に買主が瑕疵を見抜けず、購入後に気づいたときというのはどうなるのでしょうか。例えば、水気を含んだところで床が腐って剥がれていく、カビが出てきているといった事象が起こった場合です。この場合は、現状を売主側に伝え、原因の確認と修補の請求、これが先ほどの契約不適合責任というものに基づく修補請求というものです。ただし、これは売主が宅建業者の場合は「引き渡してから2年以内」という期限があり、2年以内にその請求をしなければ売主の補償責任はなくなるということになってしまうので注意が必要なのです。売主が一般の方の場合は、さらに短く「引き渡してから3か月以内」とされていることが一般的です。

9割がインスペクションを実施していない

そのため、私はどの種類の物件であっても契約前のインスペクションはやった方がいいと考えています。しかし、インスペクションは検査依頼をしてから結果が出るまでに2~3週間程かかることがあります。そうすると、インスペクションの結果を待っている間に「インスペクションをしなくてもいいですよ」と言う他の買い手が現れることがあります。その結果、売主としては「インスペクションしなくてもいいと言う買い手と契約します」となってしまうことが多々あります。そのため、本来であれば全物件でインスペクションをやった方がいいとは思いますが、インスペクションをする事でほかの買い手に先を越され、いつまで経っても買えないということもあるため、マンション取引の場合は9割以上がインスペクションを実施しないで契約をしているというのが実情だと思います。

中古住宅でも安心して購入するためのインスペクション

 ただ、個人的には一戸建ての中古住宅の場合は、インスペクションを実施した方がいいと考えます。今はインスペクション実施済みと書いてある物件もたまに見かけることがあります。「インスペクション済み、かつ瑕疵保険付き」で売り出すと、中古住宅でも安心して購入の検討をしてもらえるため、昔に比べると少しずつ安心できる中古物件が増えていると感じています。そういった中古物件を見つけられた場合は幸運ですね。

人生の大きな買い物だからこそ冷静で適切な判断を

初めて不動産取引をする方は、契約の流れや手続き方法などを事前に知って進めていくと、冷静に適切な判断がしやすいといえます。我々リフプラスは、不動産取引の流れや注意点などを丁寧かつ正直にご説明した上でご契約頂けるようサポートしています。不動産購入をご検討中の方は、ぜひ一度リフプラスにご相談下さい。

(2021年9月2日取材)

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