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住宅・不動産コラム
住宅・不動産コラム知っておきたい不動産とお金の知識

擁壁(ようへき)のある物件を購入する場合の注意点

リフプラス FP/宅建士 飯田敏

皆さまは、裏手が山や崖になっていて、広範囲にコンクリートのような擁壁(ようへき)で固めているような住宅を見たことはありますでしょうか。今回は、こういった擁壁のある、もしくは擁壁を必要とする物件を購入する場合の注意点についてお伝えします。

擁壁をつくる際の費用

まず、この擁壁は誰の費用負担でつくるものなのでしょうか。これは、「土地所有者の費用負担」となります。もし土地の所有者が自治体であれば自治体がつくってくれますが、自分自身の所有地であれば、ご自身で費用を負担して擁壁をつくる必要があります。

もし擁壁が必要な場合は、距離や高さによっては工事費用が500万円以上かかる事も多々あります。ただし、角度が30度に満たない斜面にしてある状態であれば、擁壁をつくらずにそのままにしておいてもよいという基準になっています。

また、よく見る擁壁のタイプとして、道路と土地にかなりの高低差があり、高い擁壁がつくられて、中が車庫になっているものがあります。こういった擁壁というのは、新築で買われた物件だとすると、住み続けている間の擁壁の修理や耐久性が気になる点だと思います。最初の新築時にこういった形状の擁壁であれば、おおよそ「開発行為」に該当し、最初の計画段階で役所に許可をもらい、なおかつ、施工をして完成した後に検査をして許可を貰わないと、住宅を建てられる状態になりません。そのため、上記のような形状の擁壁であれば、完成してから、少なくとも5~60年の耐久性があると考えていいと思いますし、施工者側からは「100年の耐久性があります」と言われることもあります。そのため、新築で上記のような作られたばかりの擁壁がある住宅を買うことについて、大きな問題はないと考えてよいでしょう。

擁壁付きの物件を購入する際の注意点

一方で、例えば、築30~40年経っている擁壁付きの物件を買うときには、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

まず、その中古建物を建て替える場合は、その擁壁がそのままの状態でも建築できるのかどうかです。建て替えない場合であったとしても、現在の擁壁であと何年耐えられそうなのかが大切です。例えば、軽石凝灰岩である「大谷石(おおやいし)」で組んでる擁壁だと劣化していってしまい、取り壊さないといけないという場合があります。あるいは、「玉石」という石を組み合わせて作られた擁壁は、今は使ってはいけない構造の擁壁になっているため、恐らく近い将来にやり直すように役所からの要請が出ると思います。以前も、横浜で崖崩れのニュースがありました。何らかの擁壁を組んでいる状態で崩れていたため、古くなるとそのような状況が起こることはあり得ます。問題なのは、こういった古くて危険な状態の擁壁が自分の敷地内にあるのであれば自由に修理ができますが、隣地の敷地の擁壁であった場合は隣地の方が直さないといけません。しかし、その方に修理をするための資金がないということもあります。こういった理由などから、野放しになり危険な状態になった擁壁に囲まれている物件をしばしば見かけます。このような物件は、問題を抱えているため割安な価格で売出されていることがあります。

そのため、もし中古物件の建物や場所自体が気に入られたとしても、擁壁工事費用などの土地に関する予想外の出費が重ならないかというところを確認することは非常に重要なポイントです。今後、皆さまがこういった擁壁付きの土地や建物を購入する場合は、不動産業者や建築施工会社などのプロの方に詳細を調べてもらい、その調査内容をしっかりと教えてもらい、正しく理解したうえで購入に踏み切るというプロセスを絶対に飛ばしてはいけません。

こういったことを踏まえ、リフプラスの宅建士は、購入対象不動産の思わぬ費用負担が必要そうなデメリットや弱点と考えられる事についてこそ、きちんと調査し正直にお伝えします。また、全てのお客さまに不動産を安心して買っていただけるように、100項目以上の物件の特性やリスクをくまなくプロの視点で調査をし、報告をするサービスを行っています。更に、必ず売買契約日より前に「不動産調査報告会」を実施しています。売主や売主側の業者がいない環境で遠慮なく納得いくまで質問頂き、物件調査内容を理解いただく時間をとっています。リフプラスの不動産購入サービスの中で、最もお客様に喜ばれているサービスです。不動産購入をご検討中の方は、是非一度リフプラスにご相談下さい。

(2022年5月31日取材)

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