住み替えの注意点(1) ~鍵の引き渡し~
「住み替え」という言葉は非常に分かりやすいですが、「購入」と「売却」という二つの取引を同時にやるという、難易度の高い作業をしなくてはいけません。難易度が高いのは何かと言えば、「お金の動き」もそうですが、一番はお客様ご家族の「身の置き場」です。
仮住まい無しでの住み替えをしたいケース
例えば、「先に引き渡しを受けていて、もう空き家なのでいつでも引き渡しができる」という場合には問題はありません。しかし、「自宅が売れたお金を購入資金に充当するので、先にお金を貰わないと、購入先の鍵が受け取れない」となると、「売却資金を貰って、それを購入資金に充てる」という形になります。
つまり、仮住まいなしでの住み替えをしたい場合、「売却資金の受領」と「購入資金の送金」という別々の取引を、同日にやらなくてはいけないんですね。
もしこの2つの取引が同日に可能だとしても、引っ越しまで同じ日にできるかというと、ほとんど物理的に不可能です。つまり、誰かに待ってもらわなくてはいけないのです。具体的には、「買ってくれた人」か、「売ってくれた人」に待ってもらうことになります。
ところが、物件を売ってくれた人に「お金をまだ払っていないけれども、鍵をください」とお願いすると、当然ですが「いや、それは困ります」と言われます。不動産取引においては、「お金と鍵を交換する」という原則がありますので、それは難しいです。一方、買ってくれた人はどうかというと、「お金をください。ただし、鍵の引き渡しはしばらく先になります」ということに対して、果たして納得してもらえるでしょうか?このような、「鶏が先か卵が先か」みたいなことが発生してしまいます。
住み替えは「引き渡し猶予をつけておく」
では、実態はどう解決しているのかというと、売ってくれる人に先に鍵を渡してもらうことはほぼ不可能です。その為、買ってくれる人と、最初から「鍵の引き渡しはお金をもらってから数日後ですよ」という条件で契約をする必要があります。契約をしてから鍵の引き渡しが遅れる話をすると、了解はまず得られません。そうならないために、契約をする際に「引き渡し猶予をつけておく」ということが注意点となります。
住み替えに関しては他にもいろいろ注意点があります。着手前にリフプラスの相談を利用されることをお勧めします。