住み替えの注意点(2)~契約解除のリスク~
住み替えをする場合の注意点として、「契約解除」があります。
例えば、自宅の売却の契約がもし途中で解除されたら、「手付金は貰っているけれども、残りのお金が入ってこなくなる」という状況になることもあります。そうすると、次の住み替え先に充当できるお金がなくなり、ドミノ倒し的に、売り出した方の契約解除によって、買う方の契約も解除せざるを得なくなります。
その時に、実害がなければよいのですが、自宅売却の手付金を購入予定の物件の手付金に充当するという資金繰りを考えている場合は、要注意です。
手付金は一般的に、物件の5%~10%と言われています。
例えば、「3,000万円で売った自宅が契約解除されたので、手付金分の300万円は入ってきました。一方、買った物件は5,000万円だったので、手付金は500万円払いました」という場合を考えてみます。
この時、現金の動きは、「自宅の契約解除に伴い300万円は入ってくるけれども、購入予定の物件を契約解除するにあたり、自分は500万円払わなくてはいけない」となります。
つまり、500万円-300万円=200万円の実害が発生することになります。
このように、売却金額よりも高い物件で、手付金が高い契約を解除する場合には、実害が発生しかねないのです。そうならないように、特約等で自分を守る必要があります。
もし住み替えを進める場合は、「自分がどういう状態になっても、実害が発生しないような特約」を入れておかないと、「こんなはずではなかった」ということになってしまう可能性はゼロではありません。
結果的には「住み替えは実現できず、お金だけ減っていた」いう、恐ろしいこともあり得ます。自宅の売却資金を購入資金に充当するシナリオを立てる場合は、非常に注意をしなければいけません。