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住宅・不動産コラム
住宅・不動産コラム知っておきたい不動産とお金の知識

地面師に騙されないために

リフプラス FP/宅建士 飯田敏

皆様は、地面師(じめんし)についてご存知でしょうか。地面師とは、不動産取引における詐欺師のことです。土地の所有者になりすまし売却を持ちかけて、お金をだまし取ります。

実際に、数年前に大手ハウスメーカーが多額の地面師詐欺にかかってニュースとなったことがありました。今回は、地面師に騙されないために出来る事についてお伝えします。

まず、このような事件性のあるものは金額が大きなケースが多いため、一般の方が買うような土地で、この地面師詐欺にあうことはあまり聞かない話です。しかし、大きな土地を購入しようとする一般の方でも地面師詐欺にあう可能性は少なからず考えられます。そのような地面師に騙されないためにも、その土地の売主が本物の所有者であることを確認出来る仕組みが「登記制度」です。

一般の方になじみは少ないですが、不動産の登記を扱う「法務局」という所があります。土地の登記をすると、登記簿に所有者が記載、編纂され、ここの土地は誰のものかが明記されます。法務局に行くと、「登記事項証明書」というその土地の所有者であることの証拠となる書類を取得できます。以前は謄本とも呼ばれていました。この登記事項証明書は、誰でも、どの土地についても、取得することができる仕組みです。

 また、その土地の所有者しか持っていない書類があります。それは「登記識別情報」です。

登記識別情報にはシールが貼られていて情報が隠されていますが、このシールはめくらない方がいいでしょう。そのシールの下には、番号が書いてあります。万が一、詐欺師の様な第三者にその番号を写し取られて、印鑑証明書と実印を押した書類をその第三者に一緒に法務局に出されてしまうと、移転登記が行われて、所有者を勝手に変更されてしまう恐れがあるからです。

 地面師詐欺にあわないためには、まずきちんとした所有者であることを確認するために、この登記識別情報を見せてもらうことが重要です。登記識別情報は所有者を証明する唯一の書類のため、見せてもらうようにお願いすることは失礼ではなく、不動産取引では当たり前の商慣習です。その他に、本人確認についても、パスポートや運転免許証などの写真付きのもの以外に、住民票や印鑑証明証などの公的書類の提出を条件に入れることで、それらを偽造で準備することのハードルは高まり、さらに詐欺にあいにくくなると思います。

 このように、「登記制度」は土地の所有者であることを示す唯一の証となり、詐欺などのトラブルを防ぐ大切な制度です。

 リフプラスには、日々不動産の事で様々なご相談が寄せられます。不動産やそれにまつわるお金のことでお悩みの方は、不動産とお金の専門家であるリフプラスにお気軽にご相談下さい。

(2022年5月17日取材)
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