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個人間売買③~リスクを知っておこう!~

リフプラス FP/宅建士 飯田敏

前号のコラムで、人間売買の売主・買主双方のデメリットや注意点をお伝えしました。(個人間売買①~売主側のデメリット~)(個人間売買②~買主側のデメリット~)今回は、その他の注意点やリスクについてお伝えします。

個人間売買は税務上の問題が起こる可能性がある

個人間売買の場合、比較的金額設定に融通が利くため、一般の相場に比べると安い取引となったり、逆に相場よりも高い取引になることはあり得ます。そこに関しては双方が納得すれば、契約上の問題はありません。しかし、税務上は問題が起こる可能性があります。

もしも、時価評価額より明らかに低い金額での売買となれば、贈与がそこに発生していると疑われる可能性があるのです。そのため、特に直系血族とのやり取りだった場合は、すごく安く譲ってあげるということを税務署が何も言わないで見過ごしてくれるかといえば、それほど甘くないのが現実です。こういった取引は登記を見れば分かるため、税務署の方でチェックしていることがあり、特に税務署は「借入がない契約」によく着目しています。担保がつかない場合は、どこかで何かのお金が動いたんだろうと判断され、契約内容についてのお尋ねなどを出していくことがあるだろうと思います。

また、一般的には時価評価額の80%程を目安とし、親族間の取引でも、贈与税の対象にはならないと言われています。時価との差額が20%以上になると、差額分の減額が贈与税の対象になる可能性が高いので慎重に価格設定を検討すべきでしょう。

以前に、親子間で個人間売買をし、大きなトラブルになったお客さまがいらっしゃいました。その方は、お父さまが少々の不動産知識をお持ちで、仲介手数料がもったいないという理由から、息子夫婦に仲介業者を介さずに直接自宅を売却されました。しかし、買主側の息子夫婦が金融機関からの融資が下りず、個人間貸付で自宅を担保にして、購入代金を全部支払ったら登記するという珍しい契約をされていました。しかし、個人間貸付の半分の1,000万円程を払ったところで息子夫婦が返済出来なくなってしまい、そこで全部が中途半端な状況に陥ってしまいました。息子夫婦はこれ以上払い続ける事が出来ないけれども、お父さまも途中まで払ってもらったお金を返すことも出来ない状況のため、登記変更もできず、このまま相続が起きたらどうなるのだろうという状態で放置されていたのです。このように、ローンが必要な個人間売買の場合はとてもリスクがあることが分かります。

トラブルを未然に防ぐためにプロに相談しましょう

目の前の損得勘定だけで見れば、仲介手数料を節約できるため、個人間売買はいい事のように思います。しかし、そこにどんなリスクが介在しているかというのを知らずに進めてしまうと、後々に大きな問題を抱える状態になりかねません。こういった様々な注意点やリスクを前もって知った上で、親族間などの個人間売買を進められるべきでしょう。また、いくら親しい間柄といえども、後々のトラブルを防いでスムーズな不動産取引をしたいという方は、不動産業者を介した取引をすることをおすすめしたいと思います。 不動産の悩みや問題を一般の方だけで解決することは容易ではありません。

リフプラスでは、お金と不動産の専門家として、一時的な視点ではなく、長期的な視点で、お客様にとって最良の対処ができるようサポートいたします。マイホームの売却や購入で、少しでも不安なことがございましたら、お気軽にリフプラスにご相談ください。

(2022年7月26日取材)
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